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| 2007年号 秋号 |
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初秋を肌で感じる季節になりました。
暑かった夏、日本海側では、初めての母乳育児をすすめるシンポ
ジウムが、日本母乳の会主催により富山で開催されました。当日は盛会で
900人を超す参加者でした。 助産師になり、かれこれの年月ですが、常に伝え続けていることは、普通に母乳で育てることの大切さです。時々、くだけた表現で、「ヒトにはヒトの乳。牛には牛の乳。」と説明することもあります。ヒトは、種としてのヒトであり、人でもあります。昨今ようやく、生物学的な有用性からも母乳で育てることの意義が、情報として得られるようになりました。 米国のホリスティック栄養学を修め、関連分野を学ぶにつけ、さらに裏づけ:科学的な根拠を知れば、ヒトが母乳で哺育することで得られる多数のメリットを見逃すわけにはいきません。しかし、実際の授乳行動:保育では、世代間での伝わりが少なくなり、社会構造の変化、家族数の個別化などが関係し、具体的な支援がなければ子育てのスタートでつまずく方も多く見受けます。 私の助産院の外来では、「何をしてもらえるのですか?マッサージですか?」と質問の電話を受けることがあります。建物の表からでは、何屋さん?何する所?と思われているなど、後々に外来の相談室にこられた方から耳にします。このようなお問い合わせには、「今、何がお困りですか?」 とお尋ねします。そこに、それぞれの方の、思いと、現状と希望が見えてきます。簡単には、母乳で育てたい思いのある方へは、そのサポートを。出産直後から卒乳までの1年以上を、個別に応援しています。 出生直後からの母乳育児を支援することは当然ですが、混合栄養:ミルク併用から母乳のみへの移行もあり。復職後の母乳育児を継続する手立てや、月例に応じた子供達への関わりなどを、それぞれの母子に応じて、背景事情も考慮して成長を応援します。必要時は、専門医療機関への紹介を通じて、常に母子中心に最善をサポートすることが、当院の基本理念です。もちろん、乳房手当ては、助産師の技でもあります。当然のこととして、さまざまな乳房トラブルの解決へ実際の手当てもし、楽しい母乳育児を続けることを目標に、トラブル予防への工夫と知識を説明することも多くあります。 当院で出産された母子については、母乳で育てることは至極当然と考えられているようです。あえて難しい手立てを説明しなくても、普通に退院まで、もしくはその後の数日で母乳育児のレールに乗るようです。前回の子育てを苦労多く経験された方の中には、あまりの違いとスムーズさに驚かれています。 専門家として、開業助産師の技量は、常に母子の側近くで、その成長を支えることではないかと思います。 今年は、この夏の数ヶ月に当院でもお産が少なからず続きました。暑い季節には、部屋の温度は?子供の服は?と問われます。これから、寒くなり始め、冬になればまた同様に問われることでしょう。赤ちゃんが、家族の中で大切にされている証のような気がして、少し安心して何度も同じようなお返事を繰り返しています。 南の島に住む知人を訪ねたある時は、35度を超えるこの地でも、子どもは生まれ、人は暮らし、自然は常に営まれています。またある時に、北の地域で暮らす友人に会えば、冬の寒さを憂いはしても、氷点下の暮らしの中にも、子どもは生まれ、人は当たり前のように日々を暮らしています。幸いなことに、人には生きる力があると気づきます。 全国に友人、知人がいることで、私自身は、時間的な自由がまだ得られる時期ではありませんが、その人たちの暮らしぶりに思いをはせることがよくあります。天候に作物の実りを思い、お手紙を頂けば、最近では助産院を開業してまもなく生まれた男の子が、もう16歳。自分は変わりないつもりが、思いがけず色々気づかされます。外来には、先日生まれた小さな子どもたちが、健やかに成長しています。 このつれづれ日記も、多忙に追われて、ご無沙汰を決めていましたが、これも先日、久しぶりにお会いした方から、ホームページを見て頂いていることをお聞きし、慌てました。同じ頃、数年ぶりに会えた友人からも、同様に。最近の動静を心配してもらい、反省している始末です。この日記をパソコンへ向かい進めている外では、秋の虫の音が静かに聞こえます。
「生きとし生けるもの」。 |